介護サービスを利用していると、職員がさまざなレクリエーションを企画してくれるため、一緒に参加する機会が増えてきます。多くの利用者は、これらの活動に何気なく参加していますが、レクリエーションの意味や種類、目的などを知らなければ、レクリエーションを楽しめなくなってしまいます。では、レクリエーションの目的や一緒に楽しむためのポイントを詳しく説明します。
レクリエーションの目的は?
高齢者におけるレクリエーションの意味には、大きく分けて以下の4つに分けられます。
体の機能を維持するため
高齢者におけるレクリエーションの1つ目の意味は、体の機能を維持するということです。何気なく参加しているレクリエーションですが、そこには高齢者の体をしっかりと動かすという目的があります。レクリエーションを通して体を動かすことで、体に残っている機能を長期的に維持し、健康的な日々を過ごせるようになるのです。
また、レクリエーションにも下半身であったり腕であったりどこかに焦点を当てて体を動かすものもあれば、足や体幹のバランスを使って体を動かすものもあります。活動ごとに体のどの部分を使っているかを意識しておくと、レクリエーションの効果をさらに高められるようになるでしょう。
脳の機能を維持するため
高齢者におけるレクリエーションの2つ目の意味は、脳の機能を維持するということです。体の機能を維持するためのレクリエーションとは違い、計算力や記憶力といった脳の機能を活性化させるような活動になります。体の機能を維持するのも大切ですが、それと同様に脳の機能を維持することも日々の生活を活発に過ごすために重要です。
コミュニケーションの促進
人と触れ合う機会がないと孤独を感じ、
気分転換でストレス解消|心身をリフレッシュ
介護が必要になった高齢者の場合、自宅から出られずに引きこもりがちな生活になることもあります。デイサービスなどのレクリエーションに参加することは、それだけで気分転換になり、心身をリフレッシュできるでしょう。施設に入居している高齢者にとっても、施設内の日々の生活にメリハリをつけることができます。
どんな種類がある? 介護施設におすすめのレクリエーションとは?
介護サービスを利用している中で、体験できるレクリエーションには、たくさんの種類があります。
具体的なレクリエーションの種類には、以下の4つの種類があります。
体を使ったリクリエーション
体を動かすレクリエーションで、道具を使用せずにおこなえるものとしては、ラジオ体操、ダンス、ジェスチャーゲーム、フルーツバスケット、園芸・家庭菜園など。
道具を使用したものでは、玉入れ、玉蹴り、お手玉、ボーリング、輪投げ、トントン相撲などが挙げられます。
手先を使うレクリエーション
先ほど説明した体を使うレクリエーションとは違い、指先の細かい動きが必要になります。活動を通して、考える力や手先の器用さといった機能を維持するのが大きな目的です。
手先を使うレクリエーションとして代表的な活動は、おはじきや折り紙、塗り絵です。これらの活動は、デイサービスの時だけでなく、自宅で1人で取り組むことも可能です。一人ひとりの意欲に合わせて自主的に活動できるのも特徴となっています。
リラックスできるレクリエーション
脳機能や身体機能の活性化だけではなく、
頭を使うレクリエーション
頭を使うレクリエーションは脳を活性化させるので、認知機能の維持・向上や認知症予防の効果が期待できます。また、体を自由に動かせない高齢者でも可能な点もポイントです。簡単なものとしてはパズルゲーム、トランプ、なぞなぞ、オセロ、花札、かるたなど。より頭を使うものとしては、将棋、麻雀、クロスワードパズルなどがあります。
レクリエーションを楽しんでもらうコツは?
高齢者施設などでレクリエーションを実施する際、利用者さんに楽しんでもらうためには多くの点で注意を払う必要があります。
高齢者レクリエーションをうまく進めるポイントや、利用者さんとの正しい接し方についてみていきましょう。
自信が持てる難易度の設定
難しすぎると自信を失ってしまい、
安全には充分に配慮する
高齢者レクリエーションで最初に注意すべきは、安全への配慮です。とくに体を動かすレクリエーションでは転倒によるケガ、体調不良、持病の悪化などに繋がる可能性があります。また、ハサミや針などを使うレクリエーションも、万が一のことが起きないように充分な配慮が必要です。どのようなレクリエーションであっても、事前の徹底した安全配慮と利用者さんの動きに目を離さないようにしましょう。
説明や進行は大きな声で分かりやすく
レクリエーションの実施には進行役が必要です。レクリエーションの内容や進め方を説明するときは、耳が遠い利用者さんに配慮する意味でも、聞き取りやすいように大きな声を出しましょう。また、あまり早口でしゃべると内容が理解できない利用者さんもいるので、なるべくゆっくりと、聞き取りやすさを意識して話すことが大切です。
コミュニケーションのきっかけづくりも忘れない
レクリエーションに参加する利用者さんのなかには、コミュニケーションが苦手な方もいます。そのため利用者さんが人の輪のなかに自然と入り、打ち解けるように配慮をすることも大切です。はじめてレクリエーションに参加する利用者さんには、まずは年齢の近い同性の人を紹介するなどして、コミュニケーションのきっかけを作ってあげましょう。
個人戦は避け、対戦式はゆるやかなルールに
1対1の個人戦にしてしまうとトラブルに発展する恐れがあるため
無理に参加する必要は無い
無理に参加する必要はないということです。レクリエーションの内容によっては、興味や関心を持てないものもあるかもしれません。そのような活動に無理して参加することで、ご自身はもちろん他の参加者の気分まで害してしまう可能性もあります。参加したくないと感じた時は、無理をさせない事です。
まとめ
施設を利用している高齢者のみなさんにレクリエーションを楽しんでもらうには、レクリエーションを実施する側の適切な配慮が必要です。また、同じ施設の利用者さんでもそれぞれに趣味や個性、考え方の違いがあります。できるだけ個々の性格や人間性を把握し、自尊心を傷つけないように、しっかりと敬意を払って実施することが大切です。
今回ご紹介したポイントを踏まえて、すべての利用者さんに喜んでもらえるようなレクリエーションを計画していきましょう。
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