就職活動にかかせない面接。
介護の仕事は人手不足で採用されやすいと思われがちですが、面接側からは「自分の施設に合っている人材か」「きちんと熱意をもって仕事をしてくれる人なのか」など、面接を通してしっかり見極められています。
そこで、実際の面接で失敗してしまわないためにも面接で押さえておくべき基礎知識から服装などの身だしなみ、よく聞かれる質問や面接で見られている事、落ちないために気をつけておくことなどについて詳しくご紹介します。
Contents
介護の面接で押さえておきたい基礎知識!
面接は自分が採用してもらえるかのみを見極めてもらうものではなく、自分が満足して働ける職場だろうか、というところも見極める対面の場でもあります。
他のスタッフの対応や施設内の雰囲気などもチェックし、どのような仕事場であるのか逆面接する意識で冷静に判断できる目を持てば、実際の面接にも落ち着いて臨む事ができます。
あとは自分の良い部分をしっかりアピールできるよう、基本的なマナーを押さえておきましょう。
受け答えはできるだけ笑顔で!
面接の際は、受け答え時の表情も見られています。
面接官が話している時はしっかりと相手の方へ向け、軽くうなづくようにすることで「真面目に話しをきちんと聞いている」印象を与えます。
自分が話すときは出切るだけ明るい笑顔を心がけ、良いイメージを持ってもらうことが重要です。
質問には簡潔に答えよう
面接での質問に、はっきりとした声で話しさらに簡潔に答えると相手に良い印象を与えます。
また緊張で体を硬直させて話すよりも、リラックスして適度な身振りを交えられるとベストです。
簡潔に答えるポイントは「話す要点の数を明示してから話す」「結論を先に答える」です。
「まず、2点ございます。1点目は~、そして2点目は~です。」
というように、話す要点の数を始めに伝えると相手にも聞く構えをしてもらえるので、話が伝わりやすくなります。
「結論から申し上げますと、~です。これは~だからです。」
このように、結論から伝えると相手を自分の話に引き込みやすくなるため、イメージも良くなります。
きちんと目を合わせて話しましょう
面接ではきちんと面接官の目をまっすぐ見ながら話すのがポイントです。
しかし、当日になると緊張のあまり目が泳いでしまうこともあります。
そんなときは「アイゾーン」に視線を置いておきましょう。
アイゾーンとは、相手がきちんとこちらを見ていると思われる部分のことです。
相手が机をはさむぐらいの近い距離にいる場合は両まゆと口元を結んだ三角形の部分、
離れた距離にいる場合は額からネクタイの結び目あたりの部分となります。
そのあたりに視線を置くことで相手からは「視線をずらしていない」と感じられます。
アイゾーンに視線を置くポイントは、アイゾーンの中を見つめつつも、要所要所ではしっかり相手の瞳を見つめることです。
ポイントをおさえることで相手からも印象の良い話し方になります。
丁寧な言葉遣いを意識しましょう
どれだけ相手からくだけた雰囲気で話しかけられても、それに合わせてこちらもくだけた話し方で話してしまうとかなりのマイナスイメージを与えてしまいます。
面接官だけでなく、受付で話す時やそこで働いている方にすれ違った時でさえきちんと丁寧な言葉遣いを意識しなければなりません。
どんなに素晴らしい経歴があっても、話し方ひとつで悪い評価につながります。
きちんとした敬語を使い、わからなくなってしまっても「です」「ます」をつけた丁寧語で話しましょう。
語尾をのばしたり、小さな声で話したりするのは避けましょう。
介護の面接での服装や身だしなみは?
女性編
- 基本はスーツが無難です
- メイクは派手すぎず、ネイルも控えめで
- 髪が長い場合はまとめましょう!
- 明るい髪色もNG!
メイクは普段はノーメイクでも、面接時は控えめな最低限のお化粧をしたほうが好印象です。
介護は様々な作業があるので派手なネイルも常識を疑われてしまいます。
髪の毛もまた、派手な印象を与えるのはイメージダウンです。
顔にあまりかからないようにし、長い髪はまとめておきましょう。
明るすぎる髪色もいい印象を与えません。
染めてはいけないというわけではありませんが、見た目に茶色すぎる、赤っぽい、金髪に近い、カラーが目立つなどという髪色はやめておきましょう。
男性編
- スーツが無難!落ち着いたフォーマルな服装も◎
- 寝癖はNG!短髪が好印象!
- ひげは綺麗に剃りましょう。
- 落ち着いた髪色で!
清潔感が大事ですので、もちろん寝癖がついたままなんて状態では悪いイメージを持たれてしまいます。
後ろ髪がシャツの襟につかないぐらいの短髪が快活で好印象です。
ひげが伸びていても、清潔感を損なってしまいます。しっかり丁寧に髭剃りをしておきましょう。
もちろん男性も、あまり明るい髪色はいい印象を与えません。
チャラチャラしたイメージを与えかねないので、自然な黒髪で面接を受けましょう。
介護の面接でよく聞かれる質問とその意図を解説!
それぞれの施設によって多少言い方が変わってきたりすることもありますが、基本的には大体同じでよく聞かれる質問というものがあります。
よく聞かれる質問を押さえておき、スムーズに答えられるよう準備しておきましょう。
前職をやめた理由
前職をやめてからの面接である場合、「なぜ前の職場をやめたのですか?」というような質問をされることがあります。
ここで前職に不満や問題があってやめてしまったということを伝えてしまうと、また同じような問題が出たときにすぐにやめてしまうと思われる可能性があります。
ウソをつけばいいということではなく、自分はもっと前向きにスキルアップしたいということを前面に押出せば、良い印象を与えられます。
弊社を志望した理由について
面接先の施設で働く熱意があるのか、ここの施設をしっかり理解しているのかを確認するためによく聞かれる質問です。
「給料が良かったから」「採用されやすいと思ったから」「家から近かったから」
などという回答は、あまり良い印象を与えません。
その施設の特色を事前に調べておき、
「御施設では~~を心がけた取り組みをされているということでしたので、ぜひこの施設で働いてみたいと思いました」
「施設の写真をみるととてもアットホームな雰囲気で、ぜひここで働きたいと思いました。」
など、シンプルに答えられれば大丈夫です。
いつから勤務できるか
率先力が欲しい施設では、いつから入社できるのか確認されることが多いです。
すぐにでも勤務可能な場合、「明日からでも大丈夫です」と伝える事で仕事への熱意や意欲も相手に伝わります。
もしまだ完全に退職しておらずに次の就職先を探している場合や、他の施設にも応募していてその結果を見て決めたいという時などは、
「○月○日以降でしたら大丈夫です」など明確な日数を伝えておきましょう。
夜勤・残業は可能か
できない理由があるのに、印象を良くするためだけに「夜勤も残業もできます」と言ってしまうのは後々のトラブルの元にもなってしまいます。
介護は利用者様の状況など、多少なりとも残業になってしまう場合が多い仕事です。
「それは無理です」などと言ってしまうのではなく、
「まだ小学生の子どもがいるので、19時ぐらいまでの残業は大丈夫ですが夜勤は難しいです」
など、夜勤や残業ができない理由も簡単に説明した方が理解を得られやすいです。
何か質問はありますか?
面接の最後では、だいたい聞かれる逆質問です。
「特にありません」と質問を流してしまうと、やる気がないとも思われてしまいます。
聞きたいことを準備していないと思わず言葉に詰まってしまうこともあるので、いくつか質問する事を準備しておきましょう。
「働きながらケアマネージャーの資格を取りたいと思っているのですが、何か資格支援などの制度はありますでしょうか?」など、スキルアップの熱意を感じられる質問などは好印象です。
逆に、「土日祝は休みになりますか?」「福利厚生はつきますか?」など、仕事の内容以外のことばかりを聞いてしまうと逆に嫌な印象を与えてしまいます。
聞いておきたいことを聞くのは大事ですが、仕事の条件ばかりを聞くのはタブーです。
介護の面接で担当者が実際に見ていること
最近の介護の面接では、仕事に対する思いのすれ違いによる早期離職を防ぐために面接をいままでよりもとても重視する傾向がでてきています。
不採用にならないようにするためにも面接内で担当者が実際に見ていることも意識して、面接に臨めるようにしましょう。
協調性があるか。
介護職はチームでの仕事になるため、協調性も重視されます。
自分勝手な方は転職回数が多くなる傾向があるので、転職の理由などは職場環境の悪さや待遇の悪さを訴えるのではなく、スキルアップを目指している事を伝える事が重要です。
その上で、チームワークを図るために行っていたことなどのエピソードを交えて話せると良い印象を与えることができます。
仕事が長く続くかどうか。
面接を通して、担当者は仕事をしっかりと長く続けてくれるかどうかをみています。
もし転職が多くてもその理由が納得できるものであれば悪い印象はつきませんが、自分勝手な理由や理由をはっきりと伝えられなければ仕事を長く続けられる意欲が伝わらず、不採用になってしまいます。
前職の退職理由や現在の志望動機、将来のビジョンがはっきり答えられてこそ、仕事に対するがまん強さややる気をアピールする事ができます。
会社のリサーチをしているのか。
自分が面接を受ける会社についてきちんと調べているのかを調べる質問として、
「あなたを採用するメリットは何だと思いますか?」
といった質問をされることもあります。
ここで自分勝手な強みやスキルをアピールしても、それが応募先が求めていることでなければ
「あまり会社の事をよく調べていないな・・・」と思われてしまいます。
その会社や施設がどんな人材を求めているかをしっかりリサーチしておき、それに合わせて自分はこういう経験がある、こういったスキルがあるということをアピールすることが大事です。
健康状態及び健康管理について
介護の仕事には体力が必要不可欠ですので、健康であり、なおかつしっかりと自分の健康管理もできている人材が望ましいです。
前職で腰痛や健康上のトラブルがあって離職したことがある場合は、また同じ理由で辞めてしまうのでは?と思われてしまいます。
健康の問題があって隠しておくのはNGです。
問題があって離職した事がある場合は必ず今の健康状態は問題ないのか、再発しないための健康管理はできているのかをしっかり伝えておく必要があります。
介護面接で「落ちた」とならないために気をつけること
介護の面接で審査落ちとなってしまわないためにも、気をつけておくことが3つあります。
退職の理由を正直に答えすぎないこと
前職を退職してからの面接の場合、退職理由はほとんど必ず聞かれる質問です。
その退職理由を、
「スタッフ内に気が合わない人がいて、問題ばかり起こって耐えられなくなった」
「上司にパワハラを受けていたので、いやになって辞めた」
などなど、実際には本当にそうであったとしてもあまりに正直に答え過ぎてしまうと、計らずとも将来自社においてもそうなる可能性があるというふうに見られてしまうことになります。
「前職では軽度の方の介助経験を積ませていただきましたが、自分ではもっとスキルアップしていろいろな症例の方や重度の方の介護の経験もしたいと思い、転職を決めました」
といったように、良かった経験を踏まえてからのスキルアップという面をアピールすればウソにもならず、良い印象を与えます。
過信した自己PRは見抜かれる!
経験を積んできた人の場合、自分の能力を明らかに自身で過大評価してしまっていることがあります。
自分でも気づいていないこともありますが、
「自分が中心となって介護主任を勤めてきました」
といかにすごかったかをアピールするよりも、
「介護主任という大役を頂き、スタッフひとりひとりの声を聞くように気をつけて取り組んできました」
などという、謙虚な姿勢が必要です。
いかにすごい経歴があるかという事よりも、人同士のコミュニケーションをどれだけできていたか、という周りのことも気遣える人間というものが求められます。
お礼、挨拶は基本中の基本!
お礼、挨拶は基本中の基本ですので、ここをおろそかにしている人、できない人はコミュニケーション能力がないと思われ、採用審査でも落とされてしまいがちです。
面接の始まりは面接の時間をとってもらった事に対するお礼、「本日は貴重なお時間をいただき、誠に有難うございます」からはじまり、
自分の名前と同時に軽くお辞儀をすることも大事です。「私の名前は○○と申します。(お辞儀)」と、自然に続けて行えるように練習しておきましょう。
自己紹介を求められた場合は簡潔に応募にいたった背景などを話し、「本日はよろしくお願いいたします」と、相手を気遣う締めの言葉とお辞儀を入れるようにします。
面接が終了したときには、座ったまま「本日はありがとうございました」と一礼して立ち上がるようにします。
イスの横に立ったら、再度お礼の言葉を伝えると好印象です。
ドアの前にきたら面接官の方を向きなおし、「失礼いたします」と挨拶してから退出しましょう。
また、面接後その日の内にお礼のメールを送っておくと好印象アップにつながることもあります。
ただし採用担当者の時間を取らせないよう、簡潔な文章で送る事が大事です。
面接の時間をいただいたお礼、面接の感想や面接を通じて得られた事、就職の熱意の3点を取り入れ簡潔にまとめて送りましょう。
まとめ
- 面接の基本や身だしなみはきちんと押さえておく!
- 面接の際によく聞かれる質問に対する答えはあらかじめ準備しておく!
- 面接官はどういう回答を求めているかを意識しておく!
面接ではあなたの仕事に対する熱意や姿勢などを、様々な質問で見定めようとしています。
満足のいく受け答えができるよう事前準備をしっかりとしておき、当日は余裕を持って本番に臨めるようにしましょう。
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