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口腔ケアとは?健康寿命とは?

いきなりですが皆さん「健康寿命」という言葉を知っていますか?

健康寿命とは?

健康寿命とは、日常生活を心身ともに自立して、健康に過ごせる期間のことを言います。日本は長寿国となっていますが、晩年は介護が必要になったり、健康上の問題で日常生活に支障が出たりする「不健康期間」が生じているのが事実です。

平均寿命と健康寿命には差があり、男性で9.02年女性では12.4年となっています。この差は、日常生活に支障がある「不健康な期間」です。誰もが「長生き」することを願っていますが、長生き=健康とは限りません。晩年は「寝たきり」や「要介護」、「不健康」の状態になってしまう場合もあります。
ただ単に長寿を目指すのではなく、健康寿命を延ばし、不健康な期間を少しでも減らしたいものです。生涯に渡ってイキイキと生活するために、元気なうちに健康寿命を延ばすための取り組みを始めることが大切です。

健康寿命を延ばすには、実は歯科治療が大きく関わっています。歯がしっかりと残っていて毎日健康的に食べ物を咀嚼している人は、高齢になっても脳機能が正常に維持され、認知症になりにくいというエビデンスが数多く報告されています。歯の残存数が認知症や寝たきりに大きく関係していることは明らかになっているのです。

そのために予防策としては、しっかりと物を噛んで食べられているとアゴが動き脳へ血が巡って認知症を予防できますし、虫歯菌や歯周病菌などの口内細菌を減らす努力をすることで心臓病や糖尿病などを重症化させずに済みます多くの歯を残し「噛める」ことが大切です。虫歯や歯周病になって、痛みが出てから歯科を受診するのではなく、予防のための歯科受診が重要です。

 いつまでも健康で長生きするためには口内ケアが重要とされています

予防のポイント

まずは、虫歯や歯周病を防ぎましょう!

虫歯や歯周病によって歯を失った場合、見た目や機能的に悪影響を及ぼしますが、それ以外に健康に悪影響を及ぼします。歯を失った本数が多ければ多いほど、認知症のリスクが高くなります。

歯がほとんどないうえ、義歯を使用していない人が認知症を発症する割合は、歯が20本以上残っている人の1.9倍だということが分かっています。歯がないまま放置しておくと、リンパの流れが悪くなって免疫力が低下してしまいます。

リンパ管の中を流れるリンパは、老廃物や毒素を運び出すほか、ウイルスや細菌をやっつけるために、筋肉の収縮と弛緩によって常に体の中を循環しています。ところが、しっかりと噛むことができないと、「口腔周囲筋」と呼ばれる顎の筋肉や、口を開けたり飲み込んだりする際に必要な「舌骨筋」が衰えてしまうことから、筋力の低下によってリンパの流れが悪くなることで、外敵を攻撃することができなくなってしまうのです。

しっかり噛むことによって満腹中枢が刺激されるため、食べ過ぎを防ぐことができます。噛まないことで早食いになってしまうと、インスリンの分泌が間に合わないため、食事によって高くなった血糖値を上手く下げることができなくなってしまいます。それにより、2型糖尿病が起こりやすくなることから、十分な注意が必要です。

「歯が1本くらいなくても…」と思われるかもしれませんが、歯を喪失すると周囲の歯にさまざまな影響を与えます。噛み合う歯がないため歯が伸びてきたり、隣り合った歯が傾いたりすることで、歯並びが悪くなってしまうのです。歯並びが悪いと、隙間に食べかすがたまりやすくなるほか、歯ブラシが届かないことで歯磨きが不十分になって、虫歯や歯周病で歯を失うリスクが高くなります。また、片噛みの癖が付くと、体のバランスが崩れるため、肩こりや腰痛を引き起こすこともあります。歯がないことでしっかり噛むことができないと、胃や大腸に大きな負担がかかってしまいます。

よく噛んで食べると唾液の分泌が促されるため、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素によって、炭水化物が分解されやすくなるのです。さらに、口の中で食べ物と唾液が混ざり合うことで、柔らかくなって噛みやすい状態になるほか、唾液が食べ物をまとめて飲み込みやすくすることで、高齢者の多い誤嚥を防ぐ働きがあるため、食べ物をしっかり噛んで唾液を出すことが大切です。

6つの口腔ケアをまずはやってみましょう

【1.歯磨き】

基本の歯磨きです。歯ブラシを鉛筆のように軽く持ち、小刻みに動かしながら磨きます。歯の表側、裏側を磨くときは歯に対して90度になるように歯ブラシを当てます。歯と歯茎の境目を磨くときは歯ブラシを45度の角度にして当てます。力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまうため、歯茎に当たっても痛くない程度の力で行うようにしましょう。入れ歯をしている場合は外し、残りの歯を丁寧に磨きます。
汚れがたまりやすい歯と歯の間は 、歯間ブラシを準備し掃除をしましょう。歯間にブラシを乱暴に入れたり、サイズが合わないと歯茎を傷めてしまう可能性があるため注意しましょう。

【2.うがい】

うがいは口の中の汚れを洗い流すだけでなく、口腔内を潤す効果もあります。頬を片方ずつ膨らませてブクブクと動かし、上の歯と上唇の間も同じようにブクブクし、最後は口の中全体を膨らませてしっかり動かしましょう。無理に行うと誤嚥してしまう恐れもあるため注意しましょう。

【3.舌の清掃】

舌の表面にある白い苔状のものは、舌苔(ぜったい)と呼ばれる細菌や食べかすによってできた汚れです。口臭の原因にもなるため舌ブラシやスポンジブラシなどを使って舌の奥から前、中から外の方向に動かして汚れをきれいに落としましょう。力を入れすぎると舌を傷つけてしまうため、優しくこすりとるようにしましょう。

【4.口腔清拭(せいしき)】

体を起こすのが難しい場合や、口に水を含んだままにできない方には口腔清拭(せいしき)を行います。口腔ケア用スポンジブラシや指などにガーゼを巻きつけ、口の中の汚れを拭き取りましょう。上の歯と頰の間→上顎→下の歯と頰の間の順に行い、奥から手前に拭き取ります。指を奥まで入れすぎると痛みを感じる、嘔吐してしまうなどもあるため注意しましょう。

【5.入れ歯の洗浄】

義歯用ブラシを使って、入れ歯についたぬめりや汚れを水ですすぎながら磨きましょう。その後入れ歯洗浄剤に浸し、つけ置きが終わったら浮き上がった汚れを水で流しながらブラシで磨きましょう。研磨剤の入った歯磨き剤を使用すると入れ歯を傷つけてしまうため、入れ歯専用のものを使用しましょう。入れ歯が変形してしまうことがあるため熱湯は使わないように注意しましょう。

【6.唾液腺マッサージ】

唾液腺と呼ばれる部分(上の奥歯付近にある耳下腺、あご下の骨の内側のやわらかい部分にある顎下腺、あご下にある舌下腺)などをマッサージして、唾液の分泌を促しましょう。各部分を優しく指で揉みほぐします。

上記説明とおり、お口の健康と、健康寿命には深いつながりがあり、「今から」しっかりと、歯科医院で定期メンテナンスを受けて、予防しておくことが、今後の健康を決定づけると言っても、決して大げさな話ではないのです。そのようなことを避ける手段のひとつとしても、今思い立ったときから、「定期的な健診」「定期的なメンテナンス」を始めることをお勧めいたします。

 

訪問歯科ってなに?

最後に、通院が困難な高齢者のご自宅や施設への歯科往診サービス、訪問歯科診察がございます。高齢者にとって強い味方と期待されています。訪問歯科診療の対象となるのは、「通院困難な方」と決められています。
要介護の高齢者では、歯を診てもらいたくても体が不自由で通院できない人がたくさんいます。しかし、体に障害があったり、病気を持っている人ほど口腔ケアを行いにくく、治療が必要な状態になりやすいのです。
訪問歯科診療を受けて長年のお口の悩みを解消できた人も少なくありません。治療の方法は利用者の体力に合わせて無理のないように進めていきます。費用は医療保険や介護保険が適用されます。

訪問歯科診察も利用し歯を大事にしていきましょう!

 

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