現在、介護業界は深刻な人材不足に陥っています。採用活動をしているが、人材確保に繋がらず苦戦している施設は外国人介護士の雇用を検討している事業所も増えています。
国は介護業界における人手不足の問題を解決するため外国人介護人材を受け入れる環境整備を進めています。
では、外国人をどうやって雇用するのか?手順を詳しく解説していきます。外国人が日本で働くためには在留資格が必要となります。在留資格は4種類あり採用する際は日本人採用と手続きが異なります。
Contents
在留資格は4種類
- EPA(経済連携協定)
- 在留資格(介護)
- 技能実習
- 特定技能(1号)
EPAとは?
日本とEPAを締結しているインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国から介護福祉士取得を目的として受け入れる制度です。インドネシア、フィリピンとの間には2008年、ベトナムとの間には2009年に協定が発効されています。母国で看護学校・看護課程の卒業・修了 、大学などの高等教育機関を卒業し、母国政府による介護士認定を受けた人材なので即戦力として期待できます。
介護福祉士資格取得が目的のため、入国から4年目に介護福祉士の国家試験が義務付けられています。施設側は受験サポートする必要があります。不合格の場合、帰国となってしまいます。事前に必ず公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)への登録が必要となります。
在留資格(介護)とは?
介護福祉士資格を取得しているもしくは、介護福祉士養成校を卒業した外国人が対象です。在留資格更新の制限なく永続的に就労できます。介護福祉士の国家資格はすべて日本語で行われるため、日本語能力が高くないと取得が難しいです。
技能実習とは?
母国の発展のために日本の介護技術を実習しに来る外国人です。介護施設で日本語と介護の基礎等に関する実習を受けた後、介護事業所に配属となります。配属後1年後及び3年後に試験を受ける必要があります。その後、母国の経済発展に貢献されます。
技能実習期間中に、介護福祉士の国家資格を取得すれば在留資格(介護)に変更して日本に永続的に働くことも可能です。
特定技能(1号)とは?
2019年に深刻化する人手不足をうけて、労働力が特に不足している特定産業分野において人材を確保することを目的に創設された在留資格です。対象となる外国人は、介護技能評価試験と2つの日本語試験に合格した上で入国し、通算5年雇用することができます。
外国人介護士を雇用する際のメリットは?
- 長期就労の人材を確保できる
- 人手不足が解消できる
- 若い労働力の確保
- 社内の活力向上
- 助成金の活用
介護業界での最大のメリットは人材不足を解消できることといえるでしょう。また日本に働きに来る外国人労働者は意欲が高い方が多いので、積極的な仕事への姿勢は他の社員のモチベーション向上につながります。そして結果として社内の活性化につながることが考えられます。
外国人介護士を雇用する際の注意点?
- 手続きや届け出が必要
- コミュニケーション方法
- 日本語理解力不足
- 教育指導の時間確保
海外では日本と違い転職が当たり前と認識されているため転職をしてしまう場合もあります。外国人に長く働いてもらうには、雇用条件の不満や疑問をどれだけ解消できるかが重要です。文化も生活も違う異国では日頃からコミュニケーションを社内全体でとる必要があります。働きやすい環境を作ることが離職を防ぐことに繋がるため、外国人介護士の母国の文化など耳を傾けることも必要かもしれません。
外国人介護士を受け入れるための手続きは?
外国人労働者をご検討している場合、国内で居住している外国人か、海外で居住している外国人かでは、採用活動の仕方が異なってきます。外国人を採用する場合、在留資格の種類と期限を必ず確認してください。
①求人募集を出す
地方公共団体の運営する施設には、外国人労働者の専門に取り扱う機関があります。また外国人労働者をメインに人材紹介をしている会社を利用することもよいでしょう。語学学校へアプローチし、就職先の一つとして提案できるといいでしょう。
②在留資格の確認
資格のない方を就業させてしまうと、罪に問われてしまうので必ず確認しましょう。
③届け出の作成
1⃣外国人を雇用する際は、【外国人雇用状況の届出】をハローワークへ提出が義務付けられています。フルタイムで働く外国人だけでなくアルバイトをする留学生や家族滞在者なども対象となります。
2⃣雇用契約書の締結が必要となります。給与や労働時間、休暇等、トラブルにならないよう取り交わす必要があります。
※参考:厚生労働省労働条件通知書
まとめ
外国人介護士を雇用するには、様々なメリットや注意しなければいけない事がありますが、それらをしっかり理解し雇用することが大事です。不安なこともあるかと思いますが、相手の国の文化や宗教も理解し、コミュニケーションをしっかり取り、やりがいを感じていただければ、長く就労ということに繋がります。
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