介護現場で働く管理職や介護リーダーの方は、新人職員・未経験の教育指導に悩みを抱えている方がいらっしゃいます。介護職員の早期退職を防ぐためにも、初めの教育は非常に大切です。そこで、今回は介護現場における新人指導で何が重要か、ポイントを徹底解説します。是非参考にしてみてください。
Contents
指導者側の準備
新人教育で指導する際に最も必要なことは育成計画をしっかり立てることが重要です。特に介護業界では即戦力が求められる傾向があるため、基礎的な指導を飛ばしていきなり高度な専門技術を教えてしまいがちな傾向があります。1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月…と1年を3ヶ月毎に区切りそれぞれの期間で小さな目標を設けておき、達成できているか確認しましょう。1年後を目安に一人前になれるような指導計画を立てて教えていくことが重要となります。
新人介護職員に教える基本
介護職員の心構え
まず介護職員において最も大切なのはどのように心構えを持って利用者様と接するか。これを伝える際は、抽象的な表現にならないように気を付けましょう。『対話のスキルを磨くことも介護職員として必要な事である』『笑顔で対応を』『自分から元気に挨拶をする』などのように、ある程度具体的な話をすることがポイントといえます。日々慌ただしく業務に追われるなかで、つい忘れてしまいがちになる介護職の基本の心構え。繰り返し丁寧に伝えていく必要があるでしょう。そして何より、よいお手本となるように、教育係は常に態度や行動で示してあげてください。
接遇マナー
基本の接遇マナーを身に付ける必要があるでしょう。
- 挨拶
- 身だしなみ
- 言葉遣い
- 表情
- 態度
接遇に正解はなくすぐに身につくものでありません。そのため、初めの指導はとても肝心です。『思いやりの心も持つ』ことの大切さを伝えていきましょう。
業務内容の説明
介護職の仕事内容は職場によって異なります。新人介護職員が担当する業務内容をできるだけ具体的に指示することが重要です。言葉で説明してもわかりにくい業務は、初めは指導者が実際に介助している様子を新人職員に横で見ていてもらいましょう。『こういう時は腰に手を回してサポートして下さい。』など言葉と行動の両方で伝えるのがコツです。
マニュアルを用意するのもよいでしょう。1日のおおよそのスケジュールを伝えておくと混乱が少なくなるでしょう。新人職員には、メモを取ってもらい、後から見返すことができる状態にしましょう。
介護事故防止の重要性
介護の現場に限ったことではありませんが、職場で恐ろしいいのは『事故』です。特に介護の現場では、小さなミスや手抜きが命取りとなります。職員の知識の未熟さによる事故というのも少なからず起こってしまっています。
介護事故を100%防ぐことは難しいですが、事前の準備と対応で事故の発生を最小限に抑えることは可能です。事故を防ぐための方法を丁寧に伝えていきましょう。
新人職員の悩み・不安
新人介護職員は、慣れない環境のなかで色々な悩みや不安を抱えながら仕事しています。指導者も新人だった頃もおそらくそうだったのではないでしょうか。
早期退職を防ぐためにも、指導者は常に新人介護職員の気持ちを理解することを心がけて下さい。新人職員が楽しくやりがいを持って仕事をできるようにしてあげることも教育係の重要な仕事です。
指導者によって差異がある
教育係のAさんに教えてもらったやり方で業務を進めていたら、Bさんに『そのやり方は違う』と注意を受けた。このような指導者による指導方法・指導方針の違いは新人介護職員を悩ませる要因となります。指導者同士で指導方法・指導方針を統一することが原則です。
指導者が忙しそうで声をかけれない...
介護現場は、非常に忙しく、自分の仕事に手一杯になっている人も多くいるでしょう。しかし忙しそうに働く指導者に、新人は遠慮してなかなか声をかけられないものです。なるべく話しかけやすい雰囲気をこちらから作ってあげるように、隙間時間に『何か分からない事はある?』など声掛けを行っていきましょう。
新人職員から質問があった場合、すぐに指導する時間を確保できない場合は『〇〇時くらいにひと段落するので、その時に説明しますね』などと伝え、新人が萎縮せず話しかけれる空気づくりを意識しましょう。
声をかけずらい人の特徴
- 表情が険しい、無表情
- せかせかしている
- 目が合わない
- 愚痴や文句をよく言っている
- 人の意見を聞かない
- 口調が荒い
新人職員がよく理解せず不安なままで業務を行うことは決していいことではありません。離職や、介護事故にも繋がってしまう可能性もあります。話しやすい雰囲気を作ってあげるようにしましょう。
指導者が気を付けることは?
新人教育はどのようなことを意識すればいいのでしょうか。指導者が気を付けるポイントを解説いたします。
人前で叱らない
教育するなかで、時には叱らなければいけない場面が出てくるかもしれません。ただし、叱り方には注意が必要です。そこで大事なのは『場所』と『タイミング』です。周囲で同僚が叱られていると、まるで自分が叱られているかのような嫌な気分になり、全体の雰囲気が暗くなってしまいます。叱る時は、基本的には一対一で他のスタッフがいない場所を選びましょう。また時間が経過すると、記憶も薄れてくるので相手がしっかり状況を理解できるタイミングで伝えましょう。
育成では褒めることが最も大切
教育・指導では、褒めることが最も大切でs。叱るばかりでは成長意欲を失ってしまいます。褒めることは指導者に欠かせないスキルです。新人スタッフが自信をつける為にも毎日なにか褒めることを探す癖をつけるといいでしょう。
また、小さなことでも褒められると自信ややる気に繋がります。
静岡介護求人ナビの母体となる有限会社まはえの横山源太社長は、ほめ達の認定講師です。YouTubeで発信しているので是非下さい!
※「ほめ達!」は、目の前の人やモノ、仕事で言えば商品やサービス、出来事などに独自の切り口で価値を見つけ出す『価値発見の達人』のことです。
チェックシートの活用
『この人は何ができていて、何ができていないか』をチェックするシートを作ることも有効です。
できること・できないことを可視化することで、その人が苦手とする分野を重点的い教えていくことが出来るからです。ただし、チェックシートはあくまでその人の能力を可視化するためにあるものです。できていないところをあげつらうためのものではありません。できているところは褒め、できていないところをフォローするためのものだと考えて下さい。
まとめ
誰しも新人の時代があります。新人教育は未来のホームを支えるスタッフを育てる大切な仕事です。人手不足が叫ばれる介護業界では新人教育に力を入れて長く信頼できるスタッフを増やしたいものです。
そのためには、『怒る』ではなく『叱る』そしてそれ以上に『褒める』ことを意識して下さいね。
指導者と新人職員がお互いに現状を理解し成長できるようコミュニケーションを取りながら進めていきましょう。
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